本号では6~7月を中心にcovid-19後のアルミ需要回復時期の状況をレポートしているが、需要の回復には予想以上の時間を要し、ようやく回復への期待が持てる段階に至ったと思われる。
回復の先頭に立ったのは自動車向け素材が中心である。図はcovid-19流行の前年(2019年)から2024年6月までの国内乗用車生産台数の推移を示している。2023年後半に2019年の生産台数70万台/月水準にまで回復したが、2024年(1-6月)は50-60万台/月水準へと下回った。2024年4~6月にはトヨタグループで「型式申請」に不正が発覚し数工場の操業を停止し生産台数の減少の要因となったが、7月末には同様の新たな不正事件が判明したことから、生産台数の減少が懸念される。EV化の具体的取り組みを前にして誠に残念なことである。
今後のEV化への対応を進展するには日本の自動車メーカーの再編も予想できる課題であり、2024年8月1日、ホンダと日産自動車は今後のEVに使用する車載ソフトウェアおよび部品の共通化を目指す覚書を交わし、これに三菱自動車も加わると発表した。
今回の3社連合(ホンダ・日産・三菱)の誕生により残りのトヨタグループ(トヨタ・スズキ・ダイハツ・マツダ・スバル)との2大陣営での供給体制の強化を目指すことにより、欧米および中国に対抗して行くことになろう。