本号では2024年度( 2024年4月-2025年3月)のアルミ製品総需要の見通しについて、日本アルミニウム協会、日本アルミニウム合金協会等アルミ関連7団体がまとめた報告書が4月29日発表されたので、その要旨をレポートしている。2019年末ごろから急速に広がったcovid-19は中国のゼロ・コロナ政策も加わって、中国を中心に世界のサプライチェーンの混乱が長引き、各国の経済活動回復の遅れが目立った。今回の見通しでは2024年度の日本のアルミ製品総需要は前年比2.1%増と比較的小幅にとどめている。半導体分野の回復は投資案件も明らかであるが、自動車のEV化については、ガソリン車生産中止時期の先送りの議論が欧州を中心に出始めている。またウクライナ戦争、イスラエルとパレスチナの争いに加え北朝鮮、台湾、香港などの地政学上の諸問題も今後の世界経済を左右する大きな要因となるなど2024年度のアルミ需要の回復も楽観視はできない。
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