編集者より  Vol.399


本号では2023年(1-12月)の箔を含むアルミ板材および押出材の生産・出荷データが日本アルミニウム協会から公表され、その動向をレポートしている2023年のアルミ製品総需要の報告は次号(Vol.400)に予定している。アルミ製品総需要に占める板材および押出の割合は2023年において約51%を占め、アルミ需要の中で最もその動向が注目される分野である。板材、押出材、箔すべて2023年の出荷は2年連続の減少となった。需要分野で見ると、国内自動車生産の回復が板材、押出材分野に大きく寄与したにもかかわらず、建設、半導体製造装置分野の回復の遅れなどから2024年の動向は楽観視できない。しかし半導体製造装置向け厚板等の需要は2024年後半には大きく回復が期待される。世界の半導体メーカー大手の台湾TSMCの熊本第2工場計画は2027年までの稼働開始を目標に5.6兆円の巨大投資でTSMCが86.5%出資、残りはソニーグループ(6%)、デンソー(5.5%)、トヨタ(2%))の参加が2024年2月7日発表された。半導体需要は2024年4-6月期からAI、EV等の分野での好転が見込まれ、世界景気の底上げにつながるとみられている。これには個人投資、設備投資の幅広い回復が必要とされる。